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12.04.2006

GLSセミナー in シドニー


みなさんこんにちは。パシフィック・ゲートウェイ シドニー校の聖子です。

12月に入り、シドニーはいよいよ夏らしくなってきました。夕方になると、私の家からはヨットでセーリングする人達の姿が多く見られ、長い夏の夜を優雅に楽しんでいます。シドニー校は開校してから9ヶ月が経ったわけですが、学生数も90名まで増えました。寒いカナダを脱出してシドニーで勉強したい、そんな転校希望の方大募集中です。これから4月くらいまでは最高のシーズンですよ!

(シドニー校に関する詳細は私のブログでぜひ見てください。http://blogs.yahoo.co.jp/gira_sole2010

さて、去る11月20日、シドニーのとあるエージェントさんのオフィスをお借りして「日本人が苦手なクリティカルシンキング、問題解決能力、自己表現力とは」というテーマで、学長のサミー高橋によるセミナーが行われたので、それについてレポートをします。このセミナーについては、パシフィック・ゲートウェイ シドニー校の学生さん以外にも告知され、予約人数22名の枠がすぐに埋まりました。

内容についてですが、まずはどうすれば日本人は国際社会で生きていけるかについて。一番大切なのは積極的に自分を主張することと、論理的に自分の意見を言うこと。海外のビジネスマンから見ると、日本人は協調性があり責任感が強い一方で、自己主張力が欠けていると言われているという雑誌の記事をネタにサミーの経験談が話されました。アメリカの大学に通っていたとき、教授に意見を求められてI have no idea.といったサミーに対し、教授は'Get out of here!!'と怒鳴ったのだそうです。加えて教授が語ったのは、'In this country(この時はアメリカ), if you don't speak out, you don't exist.'という言葉でした。日本は単一民族な国だった上に、長年の鎖国により、いちいち自分の考えを述べなくても誰かに自分の意思が伝わる社会となりました。が、狩猟民族社会を起源とする諸外国ではそれは全く逆であり、意見を言わない人は存在すらなき者と扱われていくということを表しているということです。

次にクリティカルシンキングについて。サミーの息子さんは小学校一年生ですが、そんな子の通信簿でさえ「クリティカルシンキングができるか」という項目があるのだそうです。クリティカルシンキングとは、自分の考えを通して物事の判断ができるかということ。悪く言えば物事を「疑って」考えることです。学校でそういった考え方を教えるのが当たり前になっているのです。このスキルがない日本人は、誇大広告なんかにすぐ騙されます。その分かりやすい例として挙げられたのが、「聞き流すだけで英語が口からついて出てくる」という英語教材の宣伝文句。聞き流すだけでスピーキング力が上がるかなんて、冷静に考えればあり得ない話と分かりますが、それでも申し込む人が多いので、そういった教材の広告はまだ日経新聞なんかにも堂々と出ているわけです。サミーの知り合いの韓国人に言わせれば、韓国人はそんなのには決して騙されないそうです。

次は思考力、問題解決能力について。サミーがシドニーに来る飛行機で目にしたニューズウィークに掲載されていたある中国人の人によるコラムによれば、日本人はランキングや偏差値をことさら意識しているのだそうです。人気大学ランキング、給料ランキング、ラッキーな星座のランキング、人気商品のランキング。つまり自分の価値観よりも相対的な価値観を日本人は判断基準にするのであり、自分で判断できない弱さが表れているのです。それを克服し、思考力を養うには「自分がどう考えるか」を考え「どうすれば相手が分かるか」を考えるようにすることが重要だそうです。そのトレーニング方法として、Six Thinking Hats(6色ハット法)というのが紹介されましたが、内容は割愛します。(気になる人はグーグルでこの言葉を検索してみてください。)

また日本でよくあるのは、ある社会問題をマスコミなどがよってたかって騒いで取り上げていることがありますが、問題を共有するだけで解決に至らないということです。なので、仕事の場面でも無駄な会議が多かったりします。その解決法としては、どういう結果が望ましいか、一番良い結果、二番目に良い結果、三番目によい結果は何かと列挙して、その結果に至るまでの過程をさかのぼることです。これはホームステイでホストファミリーとトラブルがあったときにも使えます。相手から一方的に納得できないようなことを言われたとき、向こう側だけが満足する結果ではあってはなりません。I'm OK, You're OK. となるような解決方法を探ることが大切です。もしそれでも納得がいかないときは'That's not fair.'と首を横に振ること。アメリカやカナダ、オーストラリアは基本的に移民が集まった国です。そういった国において公平さというのは非常に重要であり、フェアではないという事態は大問題なのです。

・・・と、こんな感じで盛りだくさんのセミナーになりましたが、最後に、英語なんかできなくたって、いい大学を出ていなくたって、やりたいことは遠慮せずに何でもチャレンジしたらいいよ!と力強い応援メッセージで締めくくられました。今回のセミナーでは参加者から質問や意見が飛び交う双方向型の活発なセミナーとなりました。(特にパシフィック・ゲートウェイの学生がよく発言していました)

参加者の皆さんからいただいたアンケートではこんな意見がありました。

・すごく良かったです。英語だけじゃなく人生について教わった感じです。
・学校に通っているだけではダメなんだと思いました。バスに乗っている時でもできれば自分から話しかけようと思いました。
・他人と自分を比べがちですが、自己主張して頑張ろうと思います。
・英語上達というより、英語社会でどうすればいいのかを学べた気がしました。
・改めて日本と外国の違いが分かった。自分は自分。周りに流されず個人として行動しようと思った。
・Six HatsとBest thinkingの話は参考になったが、正直他の話は矛盾を感じた。日本人はランキングを頼りすぎと言いながら最後にランキング(グラフ)を配ったりとか。(この人はクリティカルシンキングをしていますね)
・いつもなぜ英語で答えられないのかと思っていましたが、思考力がないために考えざるを得なかったのだと思いました。
・自分の意見が言えないのが日本にいたときからの課題でした。今回はいいヒントをいただいて本当に良かったです。
・自分のやっていたことがProblem Solving Skillsだと分かって嬉しかった。Six Thinking Hatsは初めて知りました。もう少し詳しく調べてみたいです。
・このセミナーを通して、改めて日本人の考え方だなあと思ったと同時に英語の勉強以外でもっと大事なことを学ぶことが出来ました。オーストラリアにいる間に自己主張が出来るように、また常に思考力をもっていきたいと思います。

今回のような日本人を応援するセミナーが、サミーの力を借りずにシドニーで定期的に実施できるよう、異文化コミュニケーションに詳しい日本人の方を探すのが私の課題です。

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